ことば・辞書・日本語文法(2)

日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

「うえ」という基本的な語をどう説明するか、です。三省堂国語辞典から。 上 ①高い<ところ/地位>。「山の-・階級が-・-〔=上層部〕の意向」(⇔下) 高い 下からの<長さ/へだたり>が大きい「-山・背が-・空高く飛ぶ」 下 位置が低い<こと/ところ>。…

ここ

「ここ」にはいろいろな用法がありますが、ここで問題にするのは「ここ数日」という場合の「ここ」です。 三省堂国語辞典と新明解国語辞典から。 ④きょうまでの短い期間。最近。「-一週間ばかり会っていない」 (三国) 現在に近い時間。最近。「-二、三日…

いんらん

用例の付け方について。三省堂国語辞典から。 淫乱 みだらなおこないを好むこと。「-な女」[派生] 淫乱さ。 他の辞書は、「女」ではありません。 現代国語例解 「淫乱な性向」 旺文社 「淫乱な人」 集英社 「淫乱な人」 大辞林 「淫乱な性格」 まあ、これら…

(馬を)あおる

いくつかの辞書で「あおる」という動詞を見ていたら、「馬をあおる」という表現の説明がいろいろ違っていたので、ここに並べてみます。 それぞれ、「あおる」の一つの用法として「馬」のことをとりあげています。三国だけが「急がせる方法」を書いていません…

ウエーター・サービス

三省堂国語辞典から。 ウエーター〔waiter〕〔レストランや喫茶店などの〕サービス係の男性。ボーイ。ウエイター。(⇔ウエートレス) 「サービス係」というだけでは具体的に何をするかがはっきりしません。「サービス」とは何か。このことばのほうが「ウエイタ…

ウイーク・週

ごくかんたんな、あらためて辞書を引くまでもないような語ですが、三省堂国語辞典の「ウイーク」の語釈がよくわからなかったことから、あれこれ調べてみました。 ウイーク (名) ①週。七日間。②週間。「バード-」 ・-エンド 週末(休暇)。 ・-デー (土曜お…

ウインナー

外来語シリーズです。今回はドイツ語がからんでくる例です。三省堂国語辞典から。 ウインナ(ー)〔ドWiener〕[1]←ウインナソーセージ。[2](造語)〔ウインナ(ー)-〕ウィーン〔=オーストリアの首都〕の。「-ワルツ」 ・-コーヒー〔Viennese coffee〕あわだ…

-ウェー

2つ前の記事の「ドライブウェー」を詳しく見てみるきっかけとなった項目です。三省堂国語辞典から。 -ウェー (造語) ①道。「ドライブー」②…とおり(の使い道)。「スリー-スピーカー・ツー-コート」▽ウェイ。ウエー。 ①の「道」の用例として「ドライブウェ…

ウイニング-

外来語シリーズです。英語か和製語かという問題。 三省堂国語辞典から。 ウイニング-(造語)〔winning〕勝利を得る。 ・-ショット〔winning shot〕〔球技で〕勝利を決定づける一打。きめだま。 「ウイニング」は「造語成分」で、他の語と共に使われるもので…

ドライブウェー

また三省堂国語辞典の外来語特集です。 ドライブウェー〔和製driveway〕ドライブ専用の舗装道路。(三国) 「ドライブウェー」は「和製」だそうです。正しい英語ではない、と。 新明解も同じ考えです。英語での意味も書いてあります。 新明解 〔和製英語 ←dr…

浮かされる

三省堂国語辞典から。 浮かされる ①心がうき立つようにさせられる。むちゅうにさせられる。「熱に-」②頭がのぼせて、ぼんやりする。「酒に-」 「熱に夢中にさせられる」? 新明解から。 1 何かに心を奪われて、落ち着かない状態になる。 2 高熱などで意…

受け入れ

おや、と思うところを見つけたのでその報告を。 まずは現代国語例解辞典から。「受け入れ」という語の、ふつうの意味での使い方はいいとして、ちょっと特殊な用法についての記述の問題です。 受け入れ [2] 会計帳簿上の収入。または貸方。 ここの「貸方」の…

ウインター

だんだん三省堂国語辞典の外来語特集になってきました。今回は「ウインター」です。 ウインター(名) 冬。「-スポーツ」 「ウインター」は確かに「冬」で、それ以外のものではありません。前回の「ウイッグ」を「かつら」とした時のような、意味の広がりの…

ウイッグ

また三省堂国語辞典です。どうも「う」の初めあたりの項目はうまく書けていません。 ウイッグ かつら(鬘)。ウィッグ。 説明はこれだけです。「ウィッグ」は別の表記、あるいは発音の問題ですから、意味の説明は「かつら」だけです。 しかし、誰でもすぐ気付…

ウィット

また三省堂国語辞典の問題点です。 ウイット〔wit〕気のきいた<ことば/しゃれ>。「-に富んだ話」 「ことば/しゃれ」なのか、という問題です。 新明解 (略)気のきいた言葉やしゃれがとっさに出せる才知。機知。「-に富んだ話」 「(略)」とした部分の話は…

ウイング

三国の語釈が不十分な例です。スポーツの用語です。 ウイング ②〔サッカー・ラグビー・ホッケーなどで〕両はしの位置(の選手)。 三国 サッカーで「ウイング」というのは、フォワードの選手を言います。守備の選手が「両端の位置」にいても、「ウイング」とは…

ウーロン茶

新明解がおかしい項目です。 まずは三国の安定した語釈から。 ウーロンちゃ[烏龍茶] 色が紅茶に似ている、あっさりとした味の中国茶。〔「ウーロン(烏龍)」は中国語。茶の葉の仕上がりの形が竜の爪のようだという〕 「色が紅茶に似ている」という部分、うる…

ウェーデルン

三省堂国語辞典から。この「ウェーデルン」ということばを知らなかった人は、次の説明でどういう意味かわかるのでしょうか。 ウェーデルン〔ドWedeln〕〔スキーの〕連続小回り回転。 小回りに連続回転するとは、ぐるぐる回るだけ? フィギュアスケートのスピ…

ウエート

三省堂国語辞典の記述が不足している項目です。 ウエート (名) ①重量。重さ。②重み。重要さ。▽ウエイト。・ウエートを置く [句] 重くあつかう。 (三国) まず、用例がありません。「ウエートを置く」は、それ自体が項目として用例を必要とするものですから…

ウエーブ

新明解の「独自性」(?)の一例を。 まずは三省堂国語辞典の「ウエーブ」の項を。 ウエーブ〔wave=波〕①電波。「マイクロ-」②かみの毛を、波をうったような形にととのえ<ること/た状態>。「-がよく出る」③〔競技場やイベントの会場で〕観客がつぎつぎに立…

ウエスト

ウエストポーチからウエスト本体の話へ。 三省堂国語辞典から。 ウエスト(名)〔waist〕〔服〕①胸と腰の間の細くなっている部分(の寸法)。胴まわり。〔Wで示す〕②〔女性の衣服で〕「ウエスト①」の部分。「-ライン」 三国によれば、ウエストとは「胸と腰の…

ウエストポーチ

「う」の項目から。まずは三省堂国語辞典のはっきりした誤植を見つけたのでご報告を。 ・-ポーチ〔和製waist porch〕腰に取りつける小型のバッグ。 (三国) これは「ウエスト」の「追い込み項目」になっています。 旺文社 〔waist pouch〕腰に巻き付けるベ…

イニシャル

アルファベットの話の続きです。「イニシャル」について。 三省堂国語辞典 イニシャル ローマ字で姓と名を書くときの、それぞれ最初の一字の大文字。頭文字。イニシアル。例、「山本太郎」ならば「Y.T.」(または「T.Y.」)。 明鏡、新明解(「イニシア…

PQRSTUVWXYZ

アルファベットの残りをまとめて。三省堂国語辞典を中心に。 ピー ①[p]〔音〕←ピアノ②。②[p.]←ページ2。③[P]〔←parking〕駐車場。④〔俗〕〔野球で〕←ピッチャー・ピッチング。「-ゴロ・ナイス-!」⑤[P]〔俗〕〔テレビ・ラジオ番組などの〕プロデューサ…

JKLMNO

前回の続きで、アルファベットのJから。三省堂国語辞典の記述です。 ジェーJ [1](造)〔←Japan〕日本の。「-ホラー」[2](名)←Jリーグ。「-2(ツー)」△ジェイ なお、明鏡・新明解・岩波には項目そのものがありません。 大辞林を見てみましょう。 ジェー【J・…

FGHI

前回の続きで、F以降を見ていきます。(Eはすでに見ました) 三省堂国語辞典を中心に。 エフF ①[f]〔←フォルテ〕。②[F]〔←ドFahrenheit〕華氏温度。 以下③から⑧まで略記 ③レンズの明るさ ④焦点距離 ⑤建物の階 ⑥鉛筆の硬さ ⑦女性 ⑧フリーサイズ ジーG・…

ABCD

前回、「E」を書いたので、そのつながりでアルファベットについて見てみます。三省堂国語辞典から。 エー[A ] (名) ①アルファベットの第一文字。②名前を出さないで言うときに使う符号。「少女-」 ③〔←answer〕答え。(⇔Q) ④→エース① △エイ ・AからZ(ま…

E

ローマ字の記号としての使われ方です。三国はけっこう詳しく書いています。 イー [1]E・e(造語)〔E-・e-〕〔←electronic〕電子の。インターネットでの。 「-メール〔=電子メール〕・-コマース〔=電子商取引〕」 [2]E(名)①〔←east〕東。磁石などで…

慰安

「い」一字を脱して「いあん」を。 三省堂国語辞典 いあん 慰安(名・他サ) なぐさめること。気晴らし。「-旅行」 「なぐさめること」と「気晴らし」ではずいぶん印象が違うのでは。同じことの言い換えのつもりなのでしょうか。違う意味なら、①と②に分けるは…

三省堂国語辞典から。 い イ (名)〔音〕長音階のハ調のラに当たる音(オン)。A音。 ひらがなの次にカタカナがあるのは、カタカナで書くのが標準表記である、ということです。音楽用語です。 他の辞書にはあまりありません。学研現代にはあります。 他の音も引…