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ことば・辞書・日本語文法(2)

日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

あげる

前回の記事の続きで。 あおむける ①表面を上へ向ける。(からだの)腹のがわを上にする。②顔を上げる。(⇔うつむける)[名]仰向け。「-になる」 三省堂国語辞典 この②の「顔を上げる」というのは、「あおむける」動きの例として、まあ、そうなんだろうと思うの…

あおむける

あおむける ①表面を上へ向ける。(からだの)腹のがわを上にする。②顔を上げる。(⇔うつむける)[名]仰向け。「-になる」 三省堂国語辞典 まず①について。「表面」と言うけれど、何の「表面」なのか。「表面」とは何か。 このことば、私はあるところで「ひょう…

明かり

語釈がよくわからない項目を。 明かり ①〔光を出すもとが見えないで〕いちめんに明るい状態。「-がさす・雪の-」 三省堂国語辞典 語釈の「いちめんに明るい状態」というのをそのまま用例に入れてみると、「<一面に明るい状態>がさす」?? 「明かり」は「…

あえて

説明の難しい副詞を。三省堂国語辞典の説明はどうもうまくありません。 あえて(副)①むずかしいとわかった上で。「-危険をおかす・-言えば」②わざわざ。特に。「朝聞く曲には、-クラシックを選ぶ」③〔文〕別に。必ずしも。「-おどろくには当たらない」 (…

青竹

また「青」をめぐる語を。 青竹 幹の青々した竹。あおたけ。「-踏み〔=半分に割った青竹を踏む足裏マッサージ〕 (三省堂国語辞典) 最初にこれを読んだとき、そういう種類の竹のことかと思いました。つまり、竹にもいろいろあって、青々したものから、品種…

青臭い

以前、「青」や「赤」に関することばを何回かとりあげたことがありますが、今回はその続きのような語を。 青臭い ①青菜を切ったときのにおいのような感じだ。②未熟だ。「-議論・-文章」[派生]青臭さ。青草み。 三省堂国語辞典 「青菜を切ったときのにおい…

あいのこ

ちょっと問題を含んだことばを。三省堂国語辞典から。 あいのこ 合いの子・間いの子 ①⇒ハーフ② ハーフ ②混血(児) 混血児 混血によって生まれた子ども。ハーフ。ダブル。国際児。〔語感がよくない〕 「あいのこ」を引くと「ハーフ」の②を見ろ、というのでそこ…

アイス

久しぶりに。 テレビでフィギュアスケートをやっていました。それで、というわけでもありませんが、「アイス」関係のことばを。三国を中心に見ていきます。 アイス ①氷(でひやしたもの)。「-ティー」②←アイスクリーム。 (三省堂国語辞典) 岩波 ③「アイス…

質量

科学用語をきちんと説明するのは難しいことです。その一例を。 三省堂国語辞典 質量 ②〔理〕物体をてんびんにのせたとき、どれだけおもりをのせるとつり合うかを示す数値。重力が変わっても一定。基本単位はキログラム。→:重さ。 さて、これでいいでしょう…

愛器・愛機

「愛器」と「愛機」の違いは、次の例であげられているものの違いということでいいのでしょう。 愛器〔文〕愛用の楽器・器具。 愛機〔文〕気に入ってたいせつにあつかう、機械・写真機・飛行機・機関車など。 三省堂国語辞典 つまり「楽器・器具」だから「愛…

愛好・愛慕

続けて、愛に関わることばを。 愛好(名・他サ)好きで、したしむこと。「-者・平和を-する」 三省堂国語辞典 「平和が好きで、したしむ」? 「音楽を愛好する」なら、「好きで、したしむ」でいいかもしれませんが、「平和を」だと、どうか。 親しむ ①した…

愛唱・愛誦・愛読

愛のことばを。 あいしょう 愛唱(名・他サ)好きで歌うこと。「私の-歌・世界の-歌」 三省堂国語辞典 好きで歌えば「愛唱」なんでしょうか。今ひとつ語釈が「浅い」感じがします。 「愛飲」の項では、「日ごろから好んで飲むこと」と、いい語釈をつけてい…

愛煙・愛飲

やっと色の話を離れて、今度は「愛」にまつわる語を。 愛煙(名・他サ)タバコが好きなこと。「-家」 三省堂国語辞典 広辞苑、明鏡、新明解は「愛煙」はなく「愛煙家」のみ。つまり、「愛煙」だけで名詞として使うことはない、という判断でしょう。確かに、…

青写真

しつこく、また「青」に関する語を。 青写真 ①青い地に白で、設計図や文字などをあらわした写真。青図。 三省堂国語辞典 設計図などを青地に白く焼き付けた写真。青焼き。ブループリント。 明鏡国語辞典 他の辞書もだいたい似たようなものですが、広辞苑だけ…

赤ちゃんと赤ん坊

飯間浩明(敬称略)がツィッターで、「赤ちゃん」と「赤ん坊」について書いていますが、次のような見方はないのかと。(私は飯間のツィッターを時々のぞいています) うちの赤ん坊 あなたの赤ちゃん 「赤ん坊」を自分では使わないという人が増えているのかも…

赤潮・青潮

赤と青の両方を。三省堂国語辞典から。 赤潮 〔地〕プランクトンがふえたために赤茶色となった海水。漁業に損害をあたえる。 青潮 酸素がほとんどふくまれていない海水。青白く変色して見える。 赤潮は〔地〕がついているのに、青潮はそうでないんですね。な…

青虫

赤から青に色を変えて、軽い話を。 また、三省堂国語辞典から。 青虫 小型で緑色のイモムシ。例、モンシロチョウの幼虫。 青虫とは小型で緑色のイモムシである。では、イモムシとは。 芋虫 毛虫の形をしているが、毛の目立たない虫。成長すればチョウやガに…

赤帽

「赤」つながりでこの語を。 赤帽 ①赤い色の帽子。②駅で旅客の手荷物を運ぶ職業の人。ポーター。〔赤い帽子をかぶる〕 三省堂国語辞典 「赤帽」は「赤い色の帽子」か。 確かに、「赤帽」は「赤い色の帽子」かもしれませんが、これは、辞書の語釈としては問題…

赤提灯

暑い日が続いていたのですが、今日は、雨のせいもあってけっこう涼しくて助かりました。さて、涼しくなってくると、恋しくなるところです。 あかちょうちん (看板として赤いちょうちんを店先にさげた)一杯飲み屋。あかぢょうちん。 三省堂国語辞典 赤いち…

暦(の上)

「秋」の話の続きです。 明鏡国語辞典の「秋」の説明の中に、「陽暦では九~十一月、陰暦では七~九月。暦の上では立秋から立冬の前日まで、天文学では秋分から冬至まで。」という部分があり、それはそれでなるほど、と思ったのですが、改めて考えると、「暦…

秋口

秋に関係する語についての短い話。 秋口 秋のはじめのころ。 三省堂国語辞典 これで悪いわけではないのですが、次のような注釈があるとちょっとうれしくなります。 [参考]「・・・口」という形での季節の言いかたは「秋口」だけで、「春口」「夏口」「冬口」と…

東京を直撃する台風が来ています。で、「秋」です。 いつもの順で、まず三国から。 三省堂国語辞典 四季の第三。夏の次で冬の前。だいたい九・十・十一月〔旧暦では七・八・九月〕の三か月。すずしくてしのぎやすい。「読書の-」(⇔春) 「だいたい」というの…

秋寒(あきさむ)

まだ暑いのですが、気持ちだけでもこんな語を。 三省堂国語辞典 秋寒 秋に感じる寒さ。 これでは何だか。「秋風」では三国がよかったのですが。 デジタル大辞泉 秋になって感じはじめる寒さ。秋冷。 大辞林 秋が来たことを思わせる寒さ。 「秋になって」寒さ…

あいびき

軽い話を。 あいびき(名・自サ)〔古風〕恋人どうしがこっそり会うこと。密会。 三省堂国語辞典 この語釈はいいのですが、用例がほしいところです。「古風」な雰囲気が感じられるような。 〔古風な言い方で〕愛し合っている二人が人目を忍んで会うこと。ラ…

秋風

暑い日が続くと、早く秋にならないかなあ、と思います。 秋風、というのはなかなか語感のいいことばだと思いますが、さて、辞書では何と説明しているのでしょうか。 大辞林・三省堂現代 秋に吹く風。 何ですか、これは。これでは秋風のさわやかさが伝わって…

アウトレット

このところカタカナ語をとりあげているので、その流れでこのことばを。 アウトレット 在庫品などを大量に仕入れ、ひじょうに安く売る店。「-モール〔=アウトレットの集まった施設〕」 (三省堂国語辞典) 単に「ひじょうに安く売る」だけではないと思うの…

アイマスク・イートイン

この2語の共通点は、「和製語」かどうかということが問題になる語、ということです。 アイマスク 三省堂国語 〔和製〕 三省堂現代 〔和製英語〕 例解新 [参考]英語ではsleeping maskという 明鏡 [和製] 広辞苑・大辞林 注記なし(英語と認めている) さて、…

アイアイ

「アイアイ」というのは、サルの種類です。 アイアイ(名)〔aye-aye〕〔動〕マダガスカル島特産の原始的なサル。夜行性。ゆびざる(指猿)。 (三省堂国語辞典) さっと読むとこれで問題なさそうですが、ふと、「原始的なサル」とはどういう意味かと思いました…

アート

「アート」もわからないことばです。 三国 アート 芸術。美術。「-デザイナー」 「芸術」と「美術」は、どう考えても意味範囲の違う語ですから、このようにただ並べてはいけません。芸術のほうが美術より広いので、広義と狭義ということでしょうか。なぜ「①…

アーティスト

三省堂国語辞典の外来語の語釈は、単に訳語を当てるだけのときがあります。その外来語をわざわざ使う意味合いを解説してほしいのですが。 アーティスト ①芸術家。「フラワー-」②歌手。演奏家。「ソロ-」△アーチスト。 これでいいと考えているとすると、ち…

い(位)

三省堂国語辞典から。 -い 位(接尾) ①くらい。順位。「第一-・三段-」②死んだ人の霊(レイ)をかぞえる尊敬語。「英霊百-」③体位。「正常-」 ①の語釈についても、細かく言うといろいろ言いたいことはあるのですが、それは今回は言わないことにして、この③の…

EU・EC

イギリスが離脱するという国民投票がずいぶん話題になりましたが、その「EU」を三省堂国語辞典で見てみると、 イーユー EU ヨーロッパ連合。欧州連合。EC〔=ヨーロッパ共同体〕から発展し、1993年に発足した。 まあ、これでいいんでしょうね。一応、…

児童語

人に教えてもらった話なのですが、あまりにもわかりやすい話なので書いておきます。 三省堂国語辞典は、ことばの文体的な特徴を示すために、たとえば〔文〕〔話〕〔俗〕などの略語を使っています。この三つの例はそれぞれ、「文章語」「話しことば」「俗語」…

いいえ:否定疑問

新明解の「いいえ」の項にある「否定疑問」に対する答え方がおかしいように思うので。 まずはよいと思う例。明鏡国語辞典の解説を。 明鏡 相手や自分のことばを打ち消したり反対の気持ちを表したり する語。いえ。いや。「『連休は旅行ですか?』『-、旅行…

かわいい・かわいらしい

前回は「愛らしい・愛くるしい」について考えたのですが、「どちらも「かわいらしい」にことに違いはないとして」などと書いてしまいました。では、「かわいらしい」とはどういう意味でしょうか。また、「かわいい」とは。 かわいらしい 〔小さいものなどが…

愛くるしい・愛らしい

また三省堂国語辞典ですが、、、。 愛くるしい 〔子どもなどの顔やしぐさが〕見るからにかわいらしい「-笑い顔」[派生] 愛くるしげ。愛くるしさ。 愛らしい 愛情をいだかせるようすだ。かわいらしい。「-しぐさ」[派生] 愛らしさ。 どちらも「かわいらしい…

赤い

「赤い」について一言書くのを忘れていました。三省堂国語辞典から。 ①赤の色だ。「赤う(アコ)うございますね」 「赤の色だ」にも不満があるのですが、それはおいておくとして、唯一の用例が「赤うございますね」でいいものでしょうか。 もっとふつうの例で…

このところ、三省堂国語辞典ばかり見ています。「赤」の項を。 赤 ①色の一つ。血や火の色。〔信号の赤は停止を意味する〕 ②③(略)④←赤組。(⇔白) ⑤以下略 この④の「←」は「もとの形」をあらわすということですので(「この辞書のきまり」の中に説明がありま…

青・青い

三省堂国語辞典の「青」を見ながらごちゃごちゃと。 あお 青 ①色の一つ。秋晴れの空や深い海の色。 ふむ。秋晴れに限定する意味はあるのでしょうか。単に「晴天の空」ではだめなのかしら? 「深い海」は「深海」ではないのでしょう。ただし、海の色も晴天の…

青田

前回の「青菜」から「青」つながりで「青田」を見てみます。 青田〔名〕 稲の葉が青々と育った田。特に、まだ稲の実りきらない時期の田。 [明鏡国語辞典 第二版] 「青田」自体は上の説明で問題はないでしょう。よく話題になるのは「青田買い」です。 また、…

青菜

三省堂国語辞典の「青菜」という項目を見ると、 青菜(名) なっぱ。 語釈はこれだけです。(この後に、「青菜に塩」という句の説明があります。) では、「なっぱ」を見るともう少し説明があるかと思うと、 菜っ葉(名) 菜(の葉)。 で終わりです。(この後…

雑草

三省堂国語辞典で「あかざ」という項目をみると、 あかざ 〔植〕雑草の名。昔は食用。 とあります。ずいぶんそっけないなあ、と思います。それに、「雑草」なんて語を語釈に使っていいのかなあ、とも。 で、「あかざ」をほかの辞書で見ると、 畑・荒れ地に自…

アイデア

「アイデア」は説明が難しいことばです。 三省堂国語辞典を見てみると、 (いい)思い付き。着想。アイディア。「-マン〔=いいアイデアをつぎつぎに出す人〕」 「いい思いつき」ですか。どうもピンと来ません。「思い付き」「着想」を見てみましょう。 思い…

IH(調理器)

この「IH」というのはどういう原理なのか。例解新国語辞典によると、 アイエイチ 電磁誘導加熱。磁力線を利用して加熱調理する方式。うずまき状のコイルで磁力線を発生させて電流を起こし、その電流がなべそのものを発熱させて加熱調理を行なう。 んだそうで…

愛飲・愛犬など

三省堂国語辞典で、「愛-」のことばを見てみます。 「愛」の後ろに、動詞的な要素がつく場合。「~する」の形になります。 愛育 (人を)かわいがってそだてること。 愛飲 〔酒・コーヒーなどを〕日頃から好んで飲むこと。 愛玩 (小さい動物などを)かわいがっ…

愛する

三省堂国語辞典の「愛する」を見て、ん? と思いました。 愛する(他サ)①愛の気持ちをおこないにあらわす。かわいがる。「子どもを-」 ②好む。好きだ。「詩を-」 ③(気に入って)たいせつにする。 △愛す。(⇔にくむ) [可能]愛せる。 この①の語釈は何だかわ…

あいだ

ずいぶんサボっていましたが、久しぶりに。 「あいだ(間)」ということばをどう説明するか。わかりきったようなことばだからこそ、難しい。 まず面白いのは岩波国語辞典です。 ①これとそれとに挟まれたところ。 ア 並ぶ(並べて考える)これとそれとが挟む…

お昼

「お昼」という語について。 三省堂国語、新明解にはこの語はありません。「昼」はもちろんあり、「お」をつけた用例ものせていますが、「お昼」という形で項目とする必要は感じていないようです。 明鏡は「おひる」という項を立て、次のように書いています…

地名

国語辞典で地名をどう扱うかというのは、難しい問題で、かんたんに答えの出ることではないでしょう。 固有名詞は項目としない、というのは一つの態度ですが、それでうまくいくかどうか。 たとえば、「アメリカ」という地名・国名をどのように説明するか。 三…

右・左(2)

右と左の続きです。 他の三冊の辞書で、同じ項目を調べてみました。 現代例解 学研現代 例解新 右側みぎがわ × × × 右側うそく × × × 左側ひだりがわ × × × 左側さそく × × × 右腕みぎうで ○ ○ ○ 右腕うわん ○ ○ × 左腕ひだりうで × × × 左腕さわん ○ ○ ○ 「…