ことば・辞書・日本語文法(2)

日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

FGHI

前回の続きで、F以降を見ていきます。(Eはすでに見ました) 三省堂国語辞典を中心に。 エフF ①[f]〔←フォルテ〕。②[F]〔←ドFahrenheit〕華氏温度。 以下③から⑧まで略記 ③レンズの明るさ ④焦点距離 ⑤建物の階 ⑥鉛筆の硬さ ⑦女性 ⑧フリーサイズ ジーG・…

ABCD

前回、「E」を書いたので、そのつながりでアルファベットについて見てみます。三省堂国語辞典から。 エー[A ] (名) ①アルファベットの第一文字。②名前を出さないで言うときに使う符号。「少女-」 ③〔←answer〕答え。(⇔Q) ④→エース① △エイ ・AからZ(ま…

E

ローマ字の記号としての使われ方です。三国はけっこう詳しく書いています。 イー [1]E・e(造語)〔E-・e-〕〔←electronic〕電子の。インターネットでの。 「-メール〔=電子メール〕・-コマース〔=電子商取引〕」 [2]E(名)①〔←east〕東。磁石などで…

慰安

「い」一字を脱して「いあん」を。 三省堂国語辞典 いあん 慰安(名・他サ) なぐさめること。気晴らし。「-旅行」 「なぐさめること」と「気晴らし」ではずいぶん印象が違うのでは。同じことの言い換えのつもりなのでしょうか。違う意味なら、①と②に分けるは…

三省堂国語辞典から。 い イ (名)〔音〕長音階のハ調のラに当たる音(オン)。A音。 ひらがなの次にカタカナがあるのは、カタカナで書くのが標準表記である、ということです。音楽用語です。 他の辞書にはあまりありません。学研現代にはあります。 他の音も引…

漢字一字の語で「衣」。三省堂国語辞典から。 い 衣 [1](名) 着るもの。着ること。「-食住・-生活」 [2](造語)〔-衣〕〔いちばん上に着る〕衣服。「作業-・消毒-」 [1]のほうは名詞であるというのですが、その用例の中での用法は名詞とは言い難いのでは…

漢字一文字の「医」の項目について。 医(名) [1]①医術。医学。② ←医学部。[2](造語)〔-医〕医者。「内科-・開業-」 三省堂国語辞典 三国のこの項目はいいと思います。どこがいいかと言うと、名詞と造語成分とを分けて書いているところ。明鏡も同じです。 …

「い」の初めのほうの項目から。まずは「亥」。 い 亥(名) ①十二支の最後。いぬ(戌)の次。いのしし。「-年・-の年」〔月・日にも言う〕②昔の時刻の名。今の午後十時ごろに当たる。四つ。「-の刻」③昔の方角の名。北北西。 (三省堂国語辞典) 他の辞書は…

「い」の漢字の順

久しぶりに。 いくつかの国語辞書の「あ」と「い」の初めのほうを見比べて、いろいろ考えているのですが、三省堂国語辞典の「い」の初めの漢字一字で表される語の順番が気になりました。 第六版では次のような順になっています。 第六版 井-伊衣亥-医易-…

あげる

前回の記事の続きで。 あおむける ①表面を上へ向ける。(からだの)腹のがわを上にする。②顔を上げる。(⇔うつむける)[名]仰向け。「-になる」 三省堂国語辞典 この②の「顔を上げる」というのは、「あおむける」動きの例として、まあ、そうなんだろうと思うの…

あおむける

あおむける ①表面を上へ向ける。(からだの)腹のがわを上にする。②顔を上げる。(⇔うつむける)[名]仰向け。「-になる」 三省堂国語辞典 まず①について。「表面」と言うけれど、何の「表面」なのか。「表面」とは何か。 このことば、私はあるところで「ひょう…

明かり

語釈がよくわからない項目を。 明かり ①〔光を出すもとが見えないで〕いちめんに明るい状態。「-がさす・雪の-」 三省堂国語辞典 語釈の「いちめんに明るい状態」というのをそのまま用例に入れてみると、「<一面に明るい状態>がさす」?? 「明かり」は「…

あえて

説明の難しい副詞を。三省堂国語辞典の説明はどうもうまくありません。 あえて(副)①むずかしいとわかった上で。「-危険をおかす・-言えば」②わざわざ。特に。「朝聞く曲には、-クラシックを選ぶ」③〔文〕別に。必ずしも。「-おどろくには当たらない」 (…

青竹

また「青」をめぐる語を。 青竹 幹の青々した竹。あおたけ。「-踏み〔=半分に割った青竹を踏む足裏マッサージ〕 (三省堂国語辞典) 最初にこれを読んだとき、そういう種類の竹のことかと思いました。つまり、竹にもいろいろあって、青々したものから、品種…

青臭い

以前、「青」や「赤」に関することばを何回かとりあげたことがありますが、今回はその続きのような語を。 青臭い ①青菜を切ったときのにおいのような感じだ。②未熟だ。「-議論・-文章」[派生]青臭さ。青草み。 三省堂国語辞典 「青菜を切ったときのにおい…

あいのこ

ちょっと問題を含んだことばを。三省堂国語辞典から。 あいのこ 合いの子・間いの子 ①⇒ハーフ② ハーフ ②混血(児) 混血児 混血によって生まれた子ども。ハーフ。ダブル。国際児。〔語感がよくない〕 「あいのこ」を引くと「ハーフ」の②を見ろ、というのでそこ…

アイス

久しぶりに。 テレビでフィギュアスケートをやっていました。それで、というわけでもありませんが、「アイス」関係のことばを。三国を中心に見ていきます。 アイス ①氷(でひやしたもの)。「-ティー」②←アイスクリーム。 (三省堂国語辞典) 岩波 ③「アイス…

質量

科学用語をきちんと説明するのは難しいことです。その一例を。 三省堂国語辞典 質量 ②〔理〕物体をてんびんにのせたとき、どれだけおもりをのせるとつり合うかを示す数値。重力が変わっても一定。基本単位はキログラム。→:重さ。 さて、これでいいでしょう…

愛器・愛機

「愛器」と「愛機」の違いは、次の例であげられているものの違いということでいいのでしょう。 愛器〔文〕愛用の楽器・器具。 愛機〔文〕気に入ってたいせつにあつかう、機械・写真機・飛行機・機関車など。 三省堂国語辞典 つまり「楽器・器具」だから「愛…

愛好・愛慕

続けて、愛に関わることばを。 愛好(名・他サ)好きで、したしむこと。「-者・平和を-する」 三省堂国語辞典 「平和が好きで、したしむ」? 「音楽を愛好する」なら、「好きで、したしむ」でいいかもしれませんが、「平和を」だと、どうか。 親しむ ①した…

愛唱・愛誦・愛読

愛のことばを。 あいしょう 愛唱(名・他サ)好きで歌うこと。「私の-歌・世界の-歌」 三省堂国語辞典 好きで歌えば「愛唱」なんでしょうか。今ひとつ語釈が「浅い」感じがします。 「愛飲」の項では、「日ごろから好んで飲むこと」と、いい語釈をつけてい…

愛煙・愛飲

やっと色の話を離れて、今度は「愛」にまつわる語を。 愛煙(名・他サ)タバコが好きなこと。「-家」 三省堂国語辞典 広辞苑、明鏡、新明解は「愛煙」はなく「愛煙家」のみ。つまり、「愛煙」だけで名詞として使うことはない、という判断でしょう。確かに、…

青写真

しつこく、また「青」に関する語を。 青写真 ①青い地に白で、設計図や文字などをあらわした写真。青図。 三省堂国語辞典 設計図などを青地に白く焼き付けた写真。青焼き。ブループリント。 明鏡国語辞典 他の辞書もだいたい似たようなものですが、広辞苑だけ…

赤ちゃんと赤ん坊

飯間浩明(敬称略)がツィッターで、「赤ちゃん」と「赤ん坊」について書いていますが、次のような見方はないのかと。(私は飯間のツィッターを時々のぞいています) うちの赤ん坊 あなたの赤ちゃん 「赤ん坊」を自分では使わないという人が増えているのかも…

赤潮・青潮

赤と青の両方を。三省堂国語辞典から。 赤潮 〔地〕プランクトンがふえたために赤茶色となった海水。漁業に損害をあたえる。 青潮 酸素がほとんどふくまれていない海水。青白く変色して見える。 赤潮は〔地〕がついているのに、青潮はそうでないんですね。な…

青虫

赤から青に色を変えて、軽い話を。 また、三省堂国語辞典から。 青虫 小型で緑色のイモムシ。例、モンシロチョウの幼虫。 青虫とは小型で緑色のイモムシである。では、イモムシとは。 芋虫 毛虫の形をしているが、毛の目立たない虫。成長すればチョウやガに…

赤帽

「赤」つながりでこの語を。 赤帽 ①赤い色の帽子。②駅で旅客の手荷物を運ぶ職業の人。ポーター。〔赤い帽子をかぶる〕 三省堂国語辞典 「赤帽」は「赤い色の帽子」か。 確かに、「赤帽」は「赤い色の帽子」かもしれませんが、これは、辞書の語釈としては問題…

赤提灯

暑い日が続いていたのですが、今日は、雨のせいもあってけっこう涼しくて助かりました。さて、涼しくなってくると、恋しくなるところです。 あかちょうちん (看板として赤いちょうちんを店先にさげた)一杯飲み屋。あかぢょうちん。 三省堂国語辞典 赤いち…

暦(の上)

「秋」の話の続きです。 明鏡国語辞典の「秋」の説明の中に、「陽暦では九~十一月、陰暦では七~九月。暦の上では立秋から立冬の前日まで、天文学では秋分から冬至まで。」という部分があり、それはそれでなるほど、と思ったのですが、改めて考えると、「暦…

秋口

秋に関係する語についての短い話。 秋口 秋のはじめのころ。 三省堂国語辞典 これで悪いわけではないのですが、次のような注釈があるとちょっとうれしくなります。 [参考]「・・・口」という形での季節の言いかたは「秋口」だけで、「春口」「夏口」「冬口」と…