またずいぶんあいてしまいましたが、ま、きにしないことにして。
毎日辞書を引いているので、書きたいことはいろいろあるのですが、気力がなくて。今日は軽く書いてみましょう。
「話す」という動詞について。「ひとと話す」とか、「用件を話す」という普通の用法はいいとして、「外国語を話す」という用法をどう説明するかということを考えます。
各辞書の説明から。
新明解 外国語を、その国の人と同じように使う。
「その国の人と同じように」使えなくても、「話す」と言っていいんじゃないか。私は、必要に迫られて英語で「話した」こともあるし、中国語で「話した」こともある、と言ってもウソにはならないでしょう。
また、バイリンガルの日本人について、「あの人は日本語とフランス語を話す」と言った時、日本語は外国語ではないので、そこもちょっと問題です。
類語大(講談社) ある言語の共通語や方言を使う。(「しゃべる」の項)
なぜか「話す」のところにはこの用法がなく、「しゃべる」のところにありました。この講談社の「類語大辞典」のこういう問題点はいつかゆっくり考えるとして、とりあえずこの説明はいいでしょうか。
だめですよね。「話す」ことに関して問題にしているんだから、「使う」では書くことまで入ってしまう。基本的なところでのケアレスミス。(「方言」を入れたのは、ちょっとしたこだわりとして、評価します。)
明鏡 ある言語を使う。~が話せる。
こんなもんですかね。「外国語を話す」のと「外国語が話せる」ではずいぶん違うのだけれど、そう言いたい気持ちはわかる。「あの人は中国語を話す」というのは、「話せる」の意味でしょう。
もう一つ、
岩波 その言語を音声言語として使う。
これはまたずいぶんすごい書き方で。確かに「話す」とはこういうことですが。「話す」の用法の説明に「音声言語」とは。
執筆者が本気なのはよくわかります。
saburoo