「アーメン」という外来語について、原語は何かということを考えてみます。
一般的な示し方の例として、明鏡国語辞典の項目を書き出します。
アーメン[amenヘブライ](感)キリスト教徒が祈りの終わりなどに
唱える言葉。▽確かに、そうでありますようにの意。
これで特に問題はなさそうですが、「デイリーコンサイス国語辞典」を見て、なるほどと思いました。
アーメン ポルトガル amen (以下略)
元々ヘブライ語であることに疑いの余地はありませんが、日本に入ってきたのはポルトガル語としてである、という判断です。キリシタンの時代ですね。確かに、そうであるように思われます。
さて、この辺のことはどう考えたらいいのか。
三省堂国語辞典も〔ヘブライ〕としていますが、その「この辞書のきまり」という「凡例」に当たるところには、
8 外来語
外来語の原語は、文法情報欄の次の〔 〕に示します。(中略)
原語は、なるべく日本に伝わったときの原語で示します。たとえば、
江戸時代にオランダ語から来た「ガラス」は、英語とはしません。
という注意書きがしっかり書かれていますから、この方針で行けば、ポルトガル語か、もしかしたら明治期の英語から入り直したときに一般に広まったと考えるか、という可能性もあるかもしれませんが、とにかくヘブライ語という示し方は問題があるのではないでしょうか。
なかなか難しいものです。