ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

ゆるい・うまる

このところ、新明解のことばかり書いていて、どうもこのブログの筆者は、新明解が嫌いなんじゃないかと思われてしまいそうですが、そうではありません。

なぜ新明解のことをそんなに何度も書くかというと、それだけ何度も引いて、使っているからです。それで、語釈のおかしなところなどに気が付くのです。なぜ何度も引くかといえば、なかなかいい辞書だからです。

以前は、岩波と新明解を主に使っていました。最近は、明鏡と新明解と三国を使っています。

岩波をあまり使わなくなったのは、つまらなく思うようになったからです。前に岩波をよく使ったのは、漢字項目が便利だったということもあります。これは、今でもそう思いますが、小学生用の漢字辞典を買って、常用漢字に関してはそちらのほうがいいと思うようになりました。

それに、三国をよく使うようになって、岩波はあまり見なくてもいいかと思うようになりました。明鏡もなかなかいいですし。

今回は、岩波を引いて、がっかりしたところを。

 

  ゆるい 緩い 1 ゆるんだ状態にある。ゆるやかだ。

  ゆるむ 緩む  ゆるくなる

  ゆるやか 緩やか  ゆるい(1)さま。

        『岩波国語辞典 第七版』

 

これはあんまりというものです。

もう一つ。

 

  うまる  1 うずもれる(1)

  うずもれる        1 うまっている   『岩波国語辞典 第七版』

   

これはあまりにもすごいとしか言いようがありません。これを見たときは、我が目を疑いました。「うまる」とは「うまっている」ことです!

というわけで、最近、岩波をあまり見なくなってしまいました。岩波も、もちろん、いいところのいろいろある辞書なのですが。