ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

右左

北・南などを調べたので、今度は右・左に関する語をちょっと調べてみます。○は項目あり、×は項目なし、です。

 

           明鏡   三国  新明解 岩波

  右側みぎがわ    ○    ×    ×   ×

  右側うそく     ×    ○    ×   ×

  左側ひだりがわ   ○    ×    ×   × 

  左側さそく     ×    ○    ×   ×

  右腕みぎうで    ○    ○    ○   ○

  右腕うわん     ○    ○    ○   ×

  左腕ひだりうで   ○    ×    ×   × 

  左腕さわん     ○    ○    ○   ×

 

いやあ、なかなか面白い結果となりました。

「みぎうで」がすべてあるのは、特別な意味があるからですね。

大辞林大辞泉は、「ひだりうで」以外は全部あるようです。

それだけ、「ひだりうで」がある明鏡は特別だということでしょうか。

「みぎがわ・ひだりがわ」の明鏡と、「うそく・さそく」の三国は、ちょうど正反対の選択をしています。話しことば重視と、交通用語重視ということでしょうか。

まったく、辞書によっていろいろ考え方が違うもんですね。

私は、全部辞書に載せていい語だと思います。