ことば・辞書・日本語文法(2)

日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

アイデア

「アイデア」は説明が難しいことばです。

三省堂国語辞典を見てみると、

 

  (いい)思い付き。着想。アイディア。「-マン〔=いいアイデアをつぎつぎに出す人〕」

 

「いい思いつき」ですか。どうもピンと来ません。「思い付き」「着想」を見てみましょう。

 

  思いつき 2(おもしろい)考え。(おもしろい)くふう。「それはいい-だ」

  着想 思いつくこと。思いつき。「すぐれた-」 

 

あれ? 堂々巡りになっていませんか?

新明解、例解新国語、明鏡を見てみます。

 

  新明解 何かを実現するための方法や手段として、こうしたらよいのではと思い巡らせた考え
  例解新 頭をはたらかさないとちょっと出てこないような思いつきやくふう。
    明鏡 良い結果を生み出す、思いつき。着想。

 

それぞれ工夫しています。これらをまとめると、

 「何かを実現するための方法や手段として(の)」「頭をはたらかさないとちょっと出てこないような」「良い結果を生み出す」思いつき

ということでしょう。目的、手段、結果などに触れると、単なる「いい思いつき」よりもぐっとよくなるのではないでしょうか。

それだけの分量を使うと、辞書全体が大きくなりすぎる、というのが問題なのでしょうが、そもそもわかるような説明をしなければ、辞書としての存在意義がありません。