ことば・辞書・日本語文法(2)

日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

いんらん

用例の付け方について。三省堂国語辞典から。

 

  淫乱  みだらなおこないを好むこと。「-な女」[派生] 淫乱さ。

 

他の辞書は、「女」ではありません。

 

  現代国語例解 「淫乱な性向」

  旺文社  「淫乱な人」

  集英社  「淫乱な人」

  大辞林  「淫乱な性格」

 

まあ、これらのほうがいいですよね。なんで三国は女性を例にするのか。

実際の例として、そういう言い方が多いのは確かかもしれません。それは、男性がこの語を女性に対して使うからですね。でも、それだからと言って、辞書が「使用頻度の多い」用例をそのままのせていいのかどうか。

ずいぶん前の話ですが、『国語辞典にみる女性差別』(1985)という本の中で、岩波国語辞典の「卒業する」の用例「女を卒業する」が批判されていたのを思い出しました。なぜ、わざわざ問題となるような用例を使うのでしょうか。