いんらん
用例の付け方について。三省堂国語辞典から。
淫乱 みだらなおこないを好むこと。「-な女」[派生] 淫乱さ。
他の辞書は、「女」ではありません。
現代国語例解 「淫乱な性向」
旺文社 「淫乱な人」
集英社 「淫乱な人」
大辞林 「淫乱な性格」
まあ、これらのほうがいいですよね。なんで三国は女性を例にするのか。
実際の例として、そういう言い方が多いのは確かかもしれません。それは、男性がこの語を女性に対して使うからですね。でも、それだからと言って、辞書が「使用頻度の多い」用例をそのままのせていいのかどうか。
ずいぶん前の話ですが、『国語辞典にみる女性差別』(1985)という本の中で、岩波国語辞典の「卒業する」の用例「女を卒業する」が批判されていたのを思い出しました。なぜ、わざわざ問題となるような用例を使うのでしょうか。