ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

「書き込む」

さーっと日がたってしまいます。

ある程度は、順序立てて(?)ことばのことを書いてみたいとはじめは思っていたので、まとまった時間と、落ち着いた気持ちにならないと書けないとか考えてしまい、どうも書けない日が続きます。というのはいつもの言い訳で、まあ、気軽に書いていきましょう。

毎日辞書を引いていると、あれこれ書いてみたいことは断片的にあるので、もう、断片をどんどん書いていけばいいのでしょう。

今日は、「書き込む」という複合動詞。

 新明解国語辞典 第六版 

  1 その場所に小さな字で書く。「手帳に予定を-」

  2 細かなところまで手を抜かずに書く。

いいですねえ。「小さな字で」書かないと、「書き込む」とは言えない。

「書き込む」って、何なんでしょうね。書けばいいってもんじゃない。

壁に大きな字で落書きしたら、確かに「書き込んだ」とは言えない。

ちなみに、(何が何にちなむのかはよくわからないけれど)国立国語研究所の「複合動詞レキシコン」なるデータベースの解説と例文は、

    用紙の所定の欄や余白に書き入れる.

    「空欄に住所を書き込んでください」

でした。小さな字でなくてもいいようで。いや、これは新明解の「2」のほうで、「手を抜かずに」書かなくちゃいけないところなのかな?

硬派(?)の「岩波国語辞典 第七版」は、「書き込む」はなく、名詞の「書き込み」がありました。

  書き込み 

   手帳・行間などに書き入れること。その書き入れた文字。

   「細かい字の-」

やっぱり字は小さいんですね。ふーむ。

みなさん、(って、誰かこのブログを読む人がいるのか?)「書き込む」の字は小さくあるべきなのでしょうか。

saburoo