ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

「生まれる」・「生きる」

「生まれる」と「生きる」の関係について。

「生まれる」は変化動詞で、そのテイル形は「結果の状態」を表すはずです。「死ぬ」や「倒れる」のように。

   兵士が死んだ → 兵士が死んでいる

   木が倒れた → 木が倒れている

   子供が生まれた → 子供が生まれている

でも、そう言いませんよね。目の前の子供は、「生きている」でしょう。

なんでだろう。これは、例外的なことなのか、何ら不思議ではないのか。

 

もう一つ。「生きる」の連体修飾の形。「生きる」は動きの動詞なので、テイル形は、継続を表します。

   生きている魚

でも、「生きた魚を目の前でさばいてくれる」なんて言い方をしますね。

変化動詞なら、「死んでいる/死んだ 魚」のどちらも言えるのはわかります。結果の状態を表す連体修飾ではタ形を使うというのは、よくあることです。

でも、「生きた魚」というのはなぜか。

面白いのは、「?生きた人」というのは言いにくいことです。「生きている人」でしょう。なぜなんだろう。

 

以上二つ、文法研究者には知られていることなのかどうか。高橋太郎あたりがとっくに書いていることなのでしょうか。

saburoo