あいうえお(順)
ほとんどの辞書に項目としてなく、あったほうがいいと思われる言葉の一つです。
例外的にこれを載せている辞書は、私の知る限りでは、デジタル大辞泉です。(もちろん、ほかにもあるかもしれません。)
あいうえお順 → 五十音順
という空見出しがあります。
三省堂国語辞典は、「五十」の追い込み項目「五十音」に
「ー順〔=アイウエオ順〕」
という用例があります。用例の中に出ている説明のためのことばが、項目として立てられていないのは、やはりまずいでしょう。
「あいうえお(順)」なんて、誰でも知っているから要らない、などとはもちろん言えません。それを言い出すと、多くのことばが辞書から消えてしまいます。
三国・新明解には、「いろは」の項目に「いろは順」が用例として示されています。「ABC」の項目には「ー順」という用例があります。
なお、三国には「いろは歌」が載せられていないのが残念です。明鏡、新明解にはあります。
岩波は、「いろは」の項に、「いろは歌」そのものは載せず、元になった涅槃経だけを載せるという、個性的な記述をしています。いろは歌ぐらい、みんな知ってるだろ、だからみんなが知らない元のほうを載せとくよ、ということでしょうか。岩波らしい。