受け入れ
おや、と思うところを見つけたのでその報告を。
まずは現代国語例解辞典から。「受け入れ」という語の、ふつうの意味での使い方はいいとして、ちょっと特殊な用法についての記述の問題です。
受け入れ [2] 会計帳簿上の収入。または貸方。
ここの「貸方」の意味はわかりませんが、それは気にしないことにして、集英社国語辞典で同じ項目を見ると、
受け入れ ② 会計帳簿上の収入。または借り方。⇔払い出し
となっています。
「貸方」「借り方」というのは、その分野の用語で、特別な意味を持つのでしょうが、素人考えでもこの2語が同じことを指すとは思えません。
貸し方 複式簿記の帳簿で、右側の記入欄。負債・資本の増加、資産の減少、利益の発生を記入する。貸し。 現代国語例解辞典
借(り)方 (複式簿記で)帳簿の左側の記入欄。資産の増加、負債の減少、費用の発生などを記入する。借り。 集英社国語辞典
複式帳簿のことはまったくわかりませんが、やはり「貸し」と「借り」は反対のことを表すのでしょう。
現代国語例解と同じ出版社(小学館)の日本国語大辞典も「貸方」です。
大辞林や大辞泉の「受け入れ」には「貸(し)方/借(り)方」という記述はありません。
さて、どういうことなのでしょうか。 ふつうに考えればどちらかが間違っている(おそらくは集英社?)のでしょうが、誰か専門家に聞いてみないとわかりません。