ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

エーカー

軽い話を。面積の単位の話です。

標準的な三国の記述から。

 

  エーカー 〔acre〕ヤードポンド法の面積の単位。一エーカーは約四〇四七平方メートル。   三省堂国語辞典

 

多くの辞書が三国と同じように「約四〇四七平方メートル」とします。明鏡・現代例解・学研現代・旺文社、その他。
(辞書は基本的に皆縦書きなので、数字の表記はこうなります。)

新明解は細かいです。

 

      四八四〇平方ヤード〔=約四〇四六・九平方メートル〕  新明解

 

〇・一平方メートルの違いにこだわります。

逆に、おおざっぱ(よく言えば、おおらか)な辞書もあります。

 

   四八四〇平方ヤードで、約四〇五〇平方メートルにあたる。  例解新

 

三平方メートルぐらいのことは気にせず、数字を丸めてわかりやすくします。

もっとおおざっぱな辞書。

 

   約四〇アール。  岩波 

 

「アール」というのは百平方メートルですから、約四〇〇〇平方メートルです。
四〇〇〇から見れば、四七の違いなんて、小さい、小さい。

岩波がいちばんおおざっぱというのは、意外でした。

 

しかし、なぜ「平方メートル」ではなくて「アール」にしたのでしょうか。
「エーカー」が農地の広さなどによく使われるから、同じような「アール」にした?

でも、むしろ「ヘクタール」のほうがよく使われるのではないでしょうか。
そうすると、「約〇・四ヘクタール」になります。こちらのほうが「おおまかに示す」という意味でもいいのじゃないかと、まあどちらでもいいようなことを考えました。