新明解国語辞典から。
執拗 「しつこい」意の漢語的表現。「-に つきまとう」 新明解
「しつこい」と意味用法は同じで、その「漢語的表現」だという。
では「しつこい」とは。
しつこい 1味などが濃すぎて、いつまでも不快な感じが口に残る様子だ。「-味」
2いつまでもつきまとわれて耐え難く思う様子だ。「-ブヨにうんざりする/しつこく尋ねる」 新明解
「執拗な味」? 「執拗なブヨ」?
「執拗に尋ねる」はそれでいいと思うけれど。
やっぱり「執拗」と「しつこい」は違うんじゃないか。
執拗 相手に対する態度が、ねばり強くしつこいさま。また、頑固なさま。
「━に迫る」「━に自説を主張する」 明鏡
「相手に対する態度が」を入れるだけで、味の話は別になるし、「ブヨ」がぴったりでないことが示されます。
新明解は「漢語的表現」というのを安易に使う傾向があります。
「漢語的表現」なのは確かにそうかもしれないけれども、やはりそこで多少の意味のずれ、共起する(共に使える)語の範囲は変わってくるので、そこに注意する必要があります。