ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

中日・日中

新明解国語辞典から。

  中日 1彼岸の七日間のまんなかの日。春分秋分の日。⇒なかび。2中国と日本。
  日中 〔朝・夕方と違って〕日が高くのぼっている間。〔午前十時から午後三、四時ごろまでを指す〕 新明解

 

「中日」には「中国と日本」とあるのですが、「日中」には「日本と中国」がありません。
日本語では「日中両国」と言うほうがふつうなのですが。

三省堂国語辞典にはどちらもあります。

  中日 2 中国と日本。〔中国がわから見た言い方〕「-外交」
  日中 2 日本と中国。                   三国

  

「中日」に「中国がわから見た言い方」という説明があるのも適切です。

学研現代新国語辞典では、「日中」の項に「日本と中国」とあるだけです。「中日」はほかの用法だけです。

岩波・明鏡では、どちらも国名としての用法はありません。
   
さて、新明解はどう考えて、「中日」だけにこの用法を載せたのでしょうか。