短い話です。
三省堂国語辞典は、動詞の(連用形の)「名詞形」を[名]で示します。例えば、
呼び寄せる (他下一)近くへ呼ぶ。呼んで、来させる。「電報で-」[名]呼び寄せ。 三国
のようにして名詞形を示します。
それはいいのですが、次の「呼び」の用例はおかしいと思います。
呼ぶ(他五)1(大声で)相手の名前など(略)[名]呼び。「-に行く」 三国
「-に行く」のところに入るのは名詞ではありません。動詞のただの連用形です。
これを名詞と考えると、
仕方ないから、本物を見せに行きました。
川へ洗濯しに行きました。
あれじゃあ、わざわざ殴られに行ったようなものだ。
などの「見せ」「洗濯し」「殴られ」なども名詞になってしまいます。これらを名詞とするのは、どう考えても無理でしょう。
名詞「呼び」とは、どういう場合に使うのでしょうか。別の用例が必要です。