三省堂国語辞典第八版が第七版からどう変わったか、このブログでこれまでにとりあげてきた項目を見てみます。
まず、明らかな誤植から。
「2017-08-05ウエストポーチ」で「ポーチ」の英語が間違っていることを書きました。
第八版は、waist pouch に直されています。porch ではありません。
また、「和製(英語)」でもありません。
よかったよかった。
次は「浮かされる」です。
浮かされる ①心がうき立つようにさせられる。むちゅうにさせられる。「熱に-」
②頭がのぼせて、ぼんやりする。「酒に-」 三国第七版
「熱に夢中にさせられる」というのはどういうことか。
明鏡から。
1 高熱などで、意識が正常でなくなる。「熱に━」
2 夢中になって、心がうわついたようになる。「投資ブームに━」 明鏡
こういうことですよね。
第八版では、
浮かされる 1のぼせたりして、頭がぼんやりする。「熱に浮かされてうわごとを言う・酒に-」
2それが好きで、夢中になる。「恋愛映画に-」 三国第八版
直されていました。よかったよかった。
もう一つは「ここ」です。
三国第七版は、
④きょうまでの短い期間。最近。「-一週間ばかり会っていない」 三国七版
で、「きょうまで」だけだったのですが、第八版は、
⑤きょうまでの短い期間。最近。「-一週間ばかり会っていない」
⑥これからの短い期間。「病人は-二、三日が山だ・-数日が勝負だ」〔大事な期間の場合に言う〕 三国第八版
「これから」についても書かれています。
ただ、「大事な期間の場合に言う」という注釈がついています。
過去のほうは特に限定がないのに、将来のほうだけ「大事な期間」ということがあるでしょうか。
天気予報などで「ここ数日は晴れの日が続くでしょう」などと言うでしょうし、特に「大事な期間」ということもないと思うのですが。