ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

ウエーブ

新明解の「独自性」(?)の一例を。

まずは三省堂国語辞典の「ウエーブ」の項を。

 

  ウエーブ〔wave=波〕①電波。「マイクロ-」②かみの毛を、波をうったような形にととのえ<ること/た状態>。「-がよく出る」③〔競技場やイベントの会場で〕観客がつぎつぎに立ち上がってはすわる、波うつような動き。「-が起こる」▽ウェーブ。

 

この③の用法について、ほとんどの辞書が同じような説明をする中で、新明解だけが独特の解説をしています。


     新明解 ④〔競技場や球場で〕声援を送るために、多数の観衆が互いに肩を組んで左右にからだをゆすり、波が生じたような動きを見せること。

 

「立って、座って」ではなく、「左右に体を揺する」というのです。(もちろん、立った状態で、でしょう)

これは野球の観客にありそうな話(大学野球?)だと思いますが、どうでしょうか。しかし、それを「ウエーブ」と言っているのかどうか。

 

サッカーなどのウエーブは海外由来のようで、wikipediaに解説があります。(野球でも同じようです)

何にせよ、新明解は不十分でしょう。