2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
前回の記事の最後にこう書きました。 辞書による自他の認定の違いがかなりの数あるということ、それをどう考えるか。 それをまた考えてみます。「ブレーンストーミング(脳内嵐)」風に、(私は賛成しないものも含めて)いろいろな意見を並べます。 A一つの…
前に、「国語辞典の「自動詞・他動詞」(27):宮島達夫の自他比較表」の最後に、宮島以外にこのような比較をした人がいたら教えてくださいと書いたところ、editechさんが次の論文を教えてくださいました。 山崎誠「辞書における自動詞・他動詞とコーパスにお…
前回の続きです。 前回は、三国の ・「〇〇を」の形を受ける動詞は他動詞〔(他)と表示〕 三国八版「文法解説」 という定義を受けて、だったら「ヲ動詞」といっても同じことで、さらには「ガ動詞」「ガ・ヲ動詞」「ガ・ニ動詞」のように動詞を分類していけ…
三省堂国語辞典第八版が動詞の自他の基準をそれまでとは大きく変え、 ・「〇〇を」の形を受ける動詞は他動詞〔(他)と表示〕 ・「〇〇を」の形を受けない動詞は自動詞〔(自)と表示〕 三国八版 p.1693 としたことを前々回に書きました。 これと、第七版ま…
前回の続きです。三省堂国語辞典で自動詞とされ、しかし、「を」をとると思われるもののリストです。第八版の自動詞・他動詞の定義によれば他動詞とされるはずの用法を持つ動詞です。 用例はほとんど実例からです。次の資料によります。主に国立国語研究所が…
まだまだ続きます。 そろそろ国語辞典を離れて、そもそも「日本語の自動詞・他動詞」とは、ということを考えなくてはいけないと思うのですが、その前にどうしてもとりあげておかなければならない「事件」があります。 それは、先月、2021年の12月に三省堂国…
国語辞典の自他表示を調査し、その違いを一覧表にするという作業を、50年前にやった人がいます。宮島達夫(1931-2015)です。 宮島は1972年に『動詞の意味用法の記述的研究』というスゴイ本を出しました。動詞研究の基本書です。(この時、宮島は40歳と少し…
動詞の一覧だけでなく、自他の比較の一覧も作っておきましょう。記事の順です。(見間違い・写し間違い・カン違いなど、あると思いますが、ご容赦を。) (1)(2)(3)(4) 越える 越す 飛び越える 飛び越す 乗り越える 乗り越す 乗り過ごす 新明解8 自 自 自 自…
ずいぶん長く書いてきたので、どんな動詞をどこでとりあげたのか、リストを作っておきます。ついでに、問題点をかんたんに振り返ってみます。 国語辞典の「自動詞・他動詞」 (1)自動詞・他動詞の定義 (2)越える・越す・飛び越える・飛び越す (3)乗り越える・…