ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

お父さん

前に「お母さん」「ママ」という記事を書いたことがありますが、「お父さん」「パパ」を書いていませんでした。各辞書とも、「お母さん」と同じような書き方をしていて、その短所・長所も同じようなものになります。 まずは、いろいろと足りない明鏡から。(…

親類・親戚

久しぶりに。 「親類」と「親戚」は、その指すもの、つまり意味は同じだと言っていいと思いますが、文体的にどう違うのか。国語辞典によって意見が分かれます。 [1]意味は同じだと言う辞典。 親類 1親戚しんせき。 2よく似たもの。同類のもの。「カレイ…

梅雨・夏・初夏

暖かくなってきました。春です。岩波国語辞典で「春」を見ると、 春 冬の次の季節。立春から立夏の前日まで。日本では普通三・四・五の三か月。 (以下略) 岩波 春は「日本では普通三・四・五の三か月」ということになっていて、その後の夏が「六・七・八」…

日曜・週

軽い話です。 「日曜」について、他の辞書と違うことを書いている辞書があります。まず一般的なほうから。明鏡国語辞典。 日曜 週の第一日。土曜の次の日。日曜日。官公庁・一般企業・学校などでは 休日とする。 明鏡 そういうことだよね、と思います。 日曜…

「午後1時」:時刻の言い方

誰でも知っているような表現をどうきちんと説明するか。 時刻の言い方というものを考えてみます。 三省堂国語辞典から。 じ(時) 一昼夜の二十四分の一を単位としてしめす、時刻のしめし方。「午後一-」 三国 何も品詞の指示がないということは、名詞だとい…

夕方・夕暮れ・日暮れ

「夕方・夕暮れ・日暮れ」の三語はどう違うのか。ほぼ同じと言っていいか。国語辞典を見てみます。 新明解国語辞典から。 夕方 日が西に傾いてから、あたりが暗くなるまでの間。夕刻。 新明解 「日が西に傾いてから」です。「暗くなる」というのは、どの程度…

今や

三省堂国語辞典の「今や」の項は、どうも説明が足りません。 今や(副)1今(にも)。2今では。「あの男が-一流の学者だ」 三国 この1の「語釈」(?)は何だかわかりません。「今や」は「今」または「今にも」と同じだというのでしょうか。もちろん、そう…

たった今

三省堂国語辞典と明鏡国語辞典から。 たった今 いましがた。ただいま。「-帰りました」 三国 たった今 ほんの少し前。いましがた。「━到着したばかりだ」 ▽「ただいま」の転。 明鏡 三国。「たった今」の「語釈」として「いましがた」を最初にあげるのはど…