ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新明解の副詞:休み休み

新明解国語辞典の副詞を見ています。今回は軽い話で「休み休み」を。 休み休み (副)何度も途中で休みながら、同じ動作を続ける様子。「-歩く/ばかも-言え〔=よく考えて、控えめに言え〕」 新明解 用例の「ばかも休み休み言え」というのは、「(ばかも)よ…

新明解の副詞:まるで

新明解国語辞典の「まるで」の項の記述を検討します。 まるで (副)〔「丸で」の意〕すべての観点から見て そう言ってさしつかえないと思われる様子。「-夢のようだ/-子供だ/-分かっていない/昔とは-違う」 新明解 この項目だけ見ていても、その良し悪し…

新明解の副詞:もし

新明解国語辞典の「もし」の項の記述です。 もし (副)〔「-+仮定表現」の形で〕1将来起こりうると予想される事態が起こった場合を仮定する様子。「-雨が降ったらやめにしよう」 2(ありえないことだが)事実と反対の事態を想定してみる様子。「-戦争に…

うまる・うめる:岩波

岩波国語辞典の「うまる」については前に書いたことがあります。(2020-01-16 岩波第八版(2):ゆるい・うまる) 同じ話の蒸し返しですが、ちょっと情報を付け加えて。 うまる ①→うずもれる①。 岩波 うずもれる ①うまっている。「雪に―」 岩波 何度見ても、こ…

新明解の副詞:じつは

新明解国語辞典の副詞の記述を検討しています。今回は「じつは」です。 じつは(接)めんどうな説明を省いて内情(事実)を端的に言うならば。「銀行のロビーで客を案内する制服の女性も-パートタイマー」 新明解第七版 これは第七版の記述です。なぜか(接…

新明解の副詞:なんとか

前回は「どうにか」をとりあげました。今回は「なんとか」です。 (副)1 具体的な内容を明言することを避けて(ができなくて)、その代りに用いる語。「-言っていたっけ/-という会社に勤めている/-〔=『ばか』と言うのをはばかって言う表現〕とはさみは…

新明解の副詞:どうにか

新明解国語辞典の副詞の記述を検討しています。今回は「どうにか」をとりあげます。 どうにか (副) 1手段・方法を尽くして最低限の成果を得るにいたる様子。「-工面してみよう/-してやりとげます/命だけは-取りとめた」 2満足できる状態ではないが、最…

どうにか・なんとか:岩波

このところ新明解国語辞典の副詞を見ていますが、岩波国語辞典が相変わらずなのでちょっと寄り道を。 どうにか 〘連語〙何とか。まがりなりに。「―ならないか」「―間に合います」「―難なんを免れた」 岩波 「どうにか」を「なんとか」「まがりなりに」で単に…

新明解の副詞:そこそこ

新明解国語辞典の副詞の記述を検討しています。今回は「そこそこ」をとりあげます。 そこそこ (副) 1辛うじて基準に達するか達しないかの程度にとどまる様子。「年金で-暮らしていけるといいのだが」「-の成績を残す」「まだ四十-だというのに髪は真っ白…