ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

青虫

赤から青に色を変えて、軽い話を。 また、三省堂国語辞典から。 青虫 小型で緑色のイモムシ。例、モンシロチョウの幼虫。 青虫とは小型で緑色のイモムシである。では、イモムシとは。 芋虫 毛虫の形をしているが、毛の目立たない虫。成長すればチョウやガに…

赤帽

「赤」つながりでこの語を。 赤帽 ①赤い色の帽子。②駅で旅客の手荷物を運ぶ職業の人。ポーター。〔赤い帽子をかぶる〕 三省堂国語辞典 「赤帽」は「赤い色の帽子」か。 確かに、「赤帽」は「赤い色の帽子」かもしれませんが、これは、辞書の語釈としては問題…

赤提灯

暑い日が続いていたのですが、今日は、雨のせいもあってけっこう涼しくて助かりました。さて、涼しくなってくると、恋しくなるところです。 あかちょうちん (看板として赤いちょうちんを店先にさげた)一杯飲み屋。あかぢょうちん。 三省堂国語辞典 赤いち…

暦(の上)

「秋」の話の続きです。 明鏡国語辞典の「秋」の説明の中に、「陽暦では九~十一月、陰暦では七~九月。暦の上では立秋から立冬の前日まで、天文学では秋分から冬至まで。」という部分があり、それはそれでなるほど、と思ったのですが、改めて考えると、「暦…

秋口

秋に関係する語についての短い話。 秋口 秋のはじめのころ。 三省堂国語辞典 これで悪いわけではないのですが、次のような注釈があるとちょっとうれしくなります。 [参考]「・・・口」という形での季節の言いかたは「秋口」だけで、「春口」「夏口」「冬口」と…

東京を直撃する台風が来ています。で、「秋」です。 いつもの順で、まず三国から。 三省堂国語辞典 四季の第三。夏の次で冬の前。だいたい九・十・十一月〔旧暦では七・八・九月〕の三か月。すずしくてしのぎやすい。「読書の-」(⇔春) 「だいたい」というの…

秋寒(あきさむ)

まだ暑いのですが、気持ちだけでもこんな語を。 三省堂国語辞典 秋寒 秋に感じる寒さ。 これでは何だか。「秋風」では三国がよかったのですが。 デジタル大辞泉 秋になって感じはじめる寒さ。秋冷。 大辞林 秋が来たことを思わせる寒さ。 「秋になって」寒さ…

あいびき

軽い話を。 あいびき(名・自サ)〔古風〕恋人どうしがこっそり会うこと。密会。 三省堂国語辞典 この語釈はいいのですが、用例がほしいところです。「古風」な雰囲気が感じられるような。 〔古風な言い方で〕愛し合っている二人が人目を忍んで会うこと。ラ…

秋風

暑い日が続くと、早く秋にならないかなあ、と思います。 秋風、というのはなかなか語感のいいことばだと思いますが、さて、辞書では何と説明しているのでしょうか。 大辞林・三省堂現代 秋に吹く風。 何ですか、これは。これでは秋風のさわやかさが伝わって…

アウトレット

このところカタカナ語をとりあげているので、その流れでこのことばを。 アウトレット 在庫品などを大量に仕入れ、ひじょうに安く売る店。「-モール〔=アウトレットの集まった施設〕」 (三省堂国語辞典) 単に「ひじょうに安く売る」だけではないと思うの…

アイマスク・イートイン

この2語の共通点は、「和製語」かどうかということが問題になる語、ということです。 アイマスク 三省堂国語 〔和製〕 三省堂現代 〔和製英語〕 例解新 [参考]英語ではsleeping maskという 明鏡 [和製] 広辞苑・大辞林 注記なし(英語と認めている) さて、…

アイアイ

「アイアイ」というのは、サルの種類です。 アイアイ(名)〔aye-aye〕〔動〕マダガスカル島特産の原始的なサル。夜行性。ゆびざる(指猿)。 (三省堂国語辞典) さっと読むとこれで問題なさそうですが、ふと、「原始的なサル」とはどういう意味かと思いました…

アート

「アート」もわからないことばです。 三国 アート 芸術。美術。「-デザイナー」 「芸術」と「美術」は、どう考えても意味範囲の違う語ですから、このようにただ並べてはいけません。芸術のほうが美術より広いので、広義と狭義ということでしょうか。なぜ「①…

アーティスト

三省堂国語辞典の外来語の語釈は、単に訳語を当てるだけのときがあります。その外来語をわざわざ使う意味合いを解説してほしいのですが。 アーティスト ①芸術家。「フラワー-」②歌手。演奏家。「ソロ-」△アーチスト。 これでいいと考えているとすると、ち…