岩波:北東
岩波国語辞典についての話です。
「北東」が項目としてありません。「東北」も。
方角はいらないという判断です。そうかなあ。
驚いたのは、「南北」もないこと。「南北問題」も「東西南北」もこの辞書ではわからない。
「東西」はあります。この辺の判断の根拠やいかに。
「東西東西」「東西屋」という複合語が追い込み項目としてあります。これらを書きたかったからでしょうか。
それより、「南北」や「北東」のほうが基本的で、重要な言葉だと思うのですが。
どうやら、岩波の編集方針として、「わかりきった言葉(複合語?)」はのせなくともよい、というのがあるようです。
「北風」もありません。「北」はさすがにありますが。「北東」はわかりきっているから要らない、というのなら、「北」はもっとわかりきった言葉だと思うのですが、こちらは複合語じゃないからか。
「南風(みなみかぜ)」はありませんが、なぜか「南風(なんぷう)」はあるんですね。面白い。「東風(とうふう)」もあります。「東風(ひがしかぜ)」はありません。やはり、単純な複合語と考えるのでしょうか。
さらに見ていくと、「東方(とうほう)」「西方(せいほう)」はなし。「西方(さいほう)」はあります。難しい読み方はのせる。
「東方(ひがしがた)」「西方(にしがた)」はあります。ふう。いったい、何なんだ。
岩波の項目選定の基準というのは、なかなか興味深いものがあります。