ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

青・青い

三省堂国語辞典の「青」を見ながらごちゃごちゃと。 あお 青 ①色の一つ。秋晴れの空や深い海の色。 ふむ。秋晴れに限定する意味はあるのでしょうか。単に「晴天の空」ではだめなのかしら? 「深い海」は「深海」ではないのでしょう。ただし、海の色も晴天の…

青田

前回の「青菜」から「青」つながりで「青田」を見てみます。 青田〔名〕 稲の葉が青々と育った田。特に、まだ稲の実りきらない時期の田。 [明鏡国語辞典 第二版] 「青田」自体は上の説明で問題はないでしょう。よく話題になるのは「青田買い」です。 また、…

青菜

三省堂国語辞典の「青菜」という項目を見ると、 青菜(名) なっぱ。 語釈はこれだけです。(この後に、「青菜に塩」という句の説明があります。) では、「なっぱ」を見るともう少し説明があるかと思うと、 菜っ葉(名) 菜(の葉)。 で終わりです。(この後…

雑草

三省堂国語辞典で「あかざ」という項目をみると、 あかざ 〔植〕雑草の名。昔は食用。 とあります。ずいぶんそっけないなあ、と思います。それに、「雑草」なんて語を語釈に使っていいのかなあ、とも。 で、「あかざ」をほかの辞書で見ると、 畑・荒れ地に自…

アイデア

「アイデア」は説明が難しいことばです。 三省堂国語辞典を見てみると、 (いい)思い付き。着想。アイディア。「-マン〔=いいアイデアをつぎつぎに出す人〕」 三国 「いい思いつき」ですか。どうもピンと来ません。「思い付き」「着想」を見てみましょう。 …

IH(調理器)

この「IH」というのはどういう原理なのか。例解新国語辞典によると、 アイエイチ 電磁誘導加熱。磁力線を利用して加熱調理する方式。うずまき状のコイルで磁力線を発生させて電流を起こし、その電流がなべそのものを発熱させて加熱調理を行なう。 んだそうで…

愛飲・愛犬など

三省堂国語辞典で、「愛-」のことばを見てみます。 「愛」の後ろに、動詞的な要素がつく場合。「~すること」の形になります。 愛育 (人を)かわいがってそだてること。 愛飲 〔酒・コーヒーなどを〕日頃から好んで飲むこと。 愛玩 (小さい動物などを)かわい…

愛する

三省堂国語辞典の「愛する」を見て、ん? と思いました。 愛する(他サ)①愛の気持ちをおこないにあらわす。かわいがる。「子どもを-」 ②好む。好きだ。「詩を-」 ③(気に入って)たいせつにする。 △愛す。(⇔にくむ) [可能]愛せる。 この①の語釈は何だかわ…

あいだ

ずいぶんサボっていましたが、久しぶりに。 「あいだ(間)」ということばをどう説明するか。わかりきったようなことばだからこそ、難しい。 まず面白いのは岩波国語辞典です。 ①これとそれとに挟まれたところ。 ア 並ぶ(並べて考える)これとそれとが挟む…