新明解第八版の「かぞえ方」欄についての続きです。
「あずき」と「だいず」の数え方を見ます。
大豆 畑に作る一年草。実はアズキより大粒で、黄色くて丸い。熟す前の青い状態のものは枝豆として賞味される。みそ・しょうゆ・豆腐を作り、油をとる。〔マメ科〕〔古来ただ「マメ」と言うのは、これ〕[かぞえ方]一本。豆の小売の単位は一袋
小豆 ①夏、黄色で蝶(チヨウ)形の花を開く一年草。細長いさやの中に黒みを帯びた赤色の、小形の種を結ぶ。②豆の一種とされる、「あずき」の種。赤飯や あんなどに使う。〔マメ科〕[ 語例 ]白- ・ ゆで-[表記]⇒付表。古くは「{赤豆}・{赤小豆}」とも書いた。[かぞえ方]①は一株・一本。②は一粒 新明解第八版
[かぞえ方] だけ抜き書きすると、
大豆 一本。豆の小売の単位は一袋
小豆 ①は一株・一本。②は一粒
草本体の数え方で、「一本」と「一株」の違いは私にはわかりません。
大豆は「一株」とは数えない、ということでしょうか。
株 根が付いていて、植えかえなどが きく、草木の一まとまり。〔狭義では、切り株を指す〕「-を分ける」 新明解第八版
それと、「豆」のほうは、大豆は「豆の小売の単位は一袋」とし、小豆は「一粒」としています。
この違いに、何か意味があるのでしょうか。小豆も「一袋」で売るでしょうし、大豆も「一粒」とかぞえられるだろうと思うのですが。
果物を見てみると、「みかん・かき・なし・くり・いちご」など、「かぞえ方」欄はみな「一株・一本」だけで、実のほうは数えないのですね。これはなぜなのか。
私たちがふつう、「みかん」とか「なし」などという時、頭に浮かぶのは実のほうであって、木ではありません。
そのかぞえ方は、当然「一個」あるいは「一つ」でしょう。
それは当たり前すぎて、「かぞえ方」欄には書かなくていい、という編集方針なのでしょうか。
私が見た中では「りんご」だけは特別で、「一株・一本:一顆(イツカ)」となっていて、実も数えていました。(しかし、普通は「一個」じゃないでしょうか。)
顆(カ) ミカン・リンゴ・キンカンなど丸い形をした、比較的小粒の果実をかぞえる語。
「ぶどう」は特別詳しく書いてあります。
ぶどう [かぞえ方] 木は一本。実は一粒(ヒトツブ)・一顆(イツカ):一房(ヒトフサ) 新明解第八版
また、以上あげた果物の「小売の単位」としては、みな「一袋」でも売っていますね。
いや、「いちご」は「一箱」でしょうか。「ぶどう」は?
そもそも、「小売りの単位」を「かぞえ方」として示す必要があるでしょうか?
こう見てくると、この「かぞえ方」の欄は、統一がとれていないのがよくわかります。
「序」で書いているように、もう一度「再点検」して、統一のとれた書き方にしてほしいと思います。