前回、「生きた魚(=生きている魚)」と比べて、「生きた人」は「生きている人」の意味では使いにくい、ということを書きました。
国立国語研究所のデータベース
http://nlb.ninjal.ac.jp/search/
で「生きる」を引き、「生きた+名詞」というのを調べてみたら、「生きた人」があり、そのほとんどは「二十世紀に生きた人」とか「終戦まで生きた人」などの、つまりは「過去」を表す「生きた」でした。ここまでは予想通り。
しかし、「生きた人間」というのが多数あり、「生きている人間」の意味で使われています!
ナルホド。
戦場のシーンかなんかで、「生きた人間は一人もいなかった」というわけです。ここは「生きた人は」ではないでしょうね。
「人」と「人間」の違いというのは、こういうところにも現れるのですか。なかなか、言語というのは微妙なものです。
saburoo