見つける・世話
細かい話を2つ。また新明解です。
みつける【見付ける】(他下一)
その人が求めているものを捜し出したり ほしい(必要とする)ものが どこにあるかを知ったりする。
仕事を-〔=捜す〕 新しい彗星(スイセイ)を-〔=発見する〕
[新明解国語辞典第七版]
「仕事を見つける」のと「仕事を捜す」のは、別のことでしょう。「仕事を見つけようとする」なら、「捜す」に近いかもしれませんが。
特に、過去にして「見つけた」「捜した」とするとまったく違います。今度は、「捜す」のほうを「捜し出した」にすると、近くなります。(上の語釈にも「捜し出す」が使われています。)
この項をチェックした編集者は、「見つける〔=捜す〕」に違和感を感じなかったのでしょうか。
もう一つは、「せわ」です。
せわ【世話】-する (他サ) (だれヲ-する/だれニなにヲ-する)
〔形容詞「せわしい」の語幹という〕
その人自身の力では出来ない事を、力・知恵などを貸して助けてやること。
いらぬお-〔=おせっかい〕だ -になる〔=…の援助を受ける〕
-を焼く〔=手数をいとわず援助してやる〕 -が焼ける〔=手数がかかる〕
いい医者を-する〔=紹介する〕 老人の-をする〔=そばに居て、いろいろ めんどうを見る〕
[ 語例 ]-好(ズ)き ・ -人 [新明解国語辞典第七版]
こちらは、もっと細かい話ですが、「世話」をする対象は「人」には限らないだろう、ということです。犬でも、牛でも、あるいは植木や盆栽や、、、。
明鏡はいろいろと細かく分けています。その中に「植木」の例があります。
せ‐わ【世話】名
1 他サ変 気を配って、面倒をみること。 「病人[植木]の━をする」
2 他サ変 仲介をすること。取り持つこと。 「就職を━する」
3 手数がかかること。やっかいであること。 「━の焼ける子だ」「すっかりお━になりました」
4 日常的・庶民的であること。 「━に砕けた(=ごく日常的な)話」
5 世間の人たちがする話。うわさや評判。 「下━げせわ」
6「世話物」の略。世話物 「━狂言」 関連語 なかだち
[明鏡国語辞典 第二版]
4以下は新明解にはない情報です。
一冊の辞書の数万の単語を、細かく、綿密に考え、記述していくのは、まったく大変なことだろうと思います。
そこは尊敬しますが、一方で、ごくかんたんなところで、ちょっとひっかかる記述に出会うと、どうしたんだろう、と思います。
人の苦労を考えず、あんまり気楽に文句ばかりつけていては、いつか罰が当たるでしょうか。