いいえ:否定疑問
新明解の「いいえ」の項にある「否定疑問」に対する答え方がおかしいように思うので。
まずはよいと思う例。明鏡国語辞典の解説を。
明鏡 相手や自分のことばを打ち消したり反対の気持ちを表したり
する語。いえ。いや。「『連休は旅行ですか?』『-、旅行に
は行きません』」「『父はまだ来ませんか?』『-、とっくに
お見えです』「『お世話になりました』『-、何のおかまいも
できませんで…』」⇔はい・ええ △丁寧な言い方の口頭語。
[語法] 否定疑問の「まだ終わりませんか?」などでは、「い
いえ、もう終わりました」「はい、まだ終わりません」のよ
うに、質問内容を否定するときは「いいえ」、肯定するとき
は「はい」を使う。
そして、何かかんちがいしているような新明解国語辞典。
新明解 相手が問いかけた事柄について打ち消すことを表わす。
「『お好きですか』『-嫌いです』/『つまらなくはなかった』
『-そんなことは有りません』」⇔はい
[文法]「君は昨日は会社に来なかったか」と否定の形式の問い
かけを受けた際に、聞き手が「来なかった」ことを予測した上
での問いかけととらえれば「はい、来ませんでした」となる。
また、聞き手が「来たこと」を予測した上での問いかけだと
とらえれば「いいえ、来ました」となる。(新明解七版)
この最後のところ、「いいえ、来ませんでした」でなければおかしいのでは?
問いと答えを並べると、
「会社に来なかったか?」(来なかったよね?)
はい、来ませんでした / いいえ、来ました
「会社に来なかったか?」(来たよね?)
いいえ、来ませんでした / はい、来ました
こうなるはずですが。