用
短い話。
用 処理する必要のあること。 岩波
当面しなければならない(済ますことが求められている)事。 新明解
「(私は)今日は用があって忙しい」ならとりあえず上の説明でいいのですが、人に対して「ちょっとお前に用がある/お前になんか用はない」という場合はどうなんだろうと長い間思っていました。この「に」は何なのか。こういう場合の「用」は、どう説明したら(どう言い換えたら)いいのか。
「お前に 関して/対して? 用(処理する必要のあること)がある/はない。だから、ちょっと顔を貸せ/向こうへ行け」、というのは何となくぴったりしません。
先日、小学館日本語新を見ていたら、「用」 の例文に、
お前に要はない〔=会ったり話したりする必要はない〕。
というのが突然出てきて、びっくりしました。一瞬、「用」の誤植だと思ったのですが、そうでないのかとも思います。
項目としての漢字表記は「用」だけで、この例だけが「要」の字になっています。
「要」という項目はまた別にあって、「説明の要がある」という例が載っています。
他の辞書には似たような記述はありません。
「~に用がある」という「に」の例としては、
今日は銀行に用があるので、ちょっと遅れます。
のようなものが考えられますが、この「に」は「場所」あるいは「対象」のどちらと考えたらいいのか。「対象」でいいなら、「お前に用がある」の「に」も「対象」なのでしょう。
まずは、小学館日本語新の用例が誤植なのか、そうでないのか知りたいと思いますが、はがきを出せば答えてくれるでしょうか。