ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

広い

新明解国語辞典から。

 

  広い 1 何かをするのに十分過ぎるほどの空間があると認められる様子だ。
    「庭(部屋)が-/-グラウンド/-屋敷」(2・3の用法略)   新明解

 

「何かをする」ことは「広い」と感じるために必要でしょうか。

 

     広い宇宙  広い海  広い空

 

宇宙で何かをしようとは思っていない人も、「広い宇宙」と言っていいでしょう。

新明解は一つのとらえ方に固執するところがあります。

 

明鏡国語辞典

  1 空間が開けてゆとりのあるさま。

   ア 面積が大きい。特に、活用できる面積が大きい。(例略)

   イ 仕切られた両端の幅が大きい。(例略)

   ウ ものの広がりが大きい範囲に行き渡っているさま。「宇宙空間は限りなく━」(以下略)

 

明鏡は、ある面積を「使う」場合と、単なる「広がり」を分けています。

これがいいんじゃないでしょうか。