ことば・辞書・日本語文法(2)

元日本語教師です。ことばと、(日本語)辞書と、日本語の文法について、勝手なことを書いていきます。

熱い

短い話。新明解と岩波の「熱い」が不十分だという話です。関係する用法だけ引用します。

 

  熱い 物が高い熱をもっていて、接触したり 近づいたり するとからだに強い
     刺激を受ける(のが危険だと感じられる)状態だ。「-砂の上をはだしで
     駆け回る/-食べ物や飲み物は苦手だ/燗(カン)を熱くする」  新明解

  あつ-い【熱い・暑い】〘形〙温度が著しく高い。そういう感じだ。①熱せら
   れている。[熱]冷たい。㋐物の温度がきわめて高い。「鉄は―うちに鍛えよ」
   「―うどん」▽それが体(の一部)に触れた時に起こる感じを言う。  岩波

 

明鏡と三国は用法2として次のように書きます。

 

   2 体や体の一部が、普通より高い熱をもっていると感じる。特に、病気の
    ために体温が高いと感じる。「体中がほてって━」「君の手は━ね」     明鏡

   2 体温が高い(感じだ)。「ひたいが-」   三国

 

「体温が高い」場合も「熱い」と言います。新明解と岩波はこの用法を書いていません。
また、それぞれの語釈はこの用法をカバーしているとは言えません。