三省堂国語辞典第八版が第七版からどう変わったか、このブログでこれまでにとりあげてきた項目を見てみます。
差別語の問題です。前に「あいのこ」ということばをとりあげました。
三国第七版の記述を。
あいのこ 合いの子・間いの子 ①⇒ハーフ②
ハーフ ②混血(児)
混血児 混血によって生まれた子ども。ハーフ。ダブル。国際児。〔語感がよくない〕
前の記事では、これらの項目を批判しました。
第八版で大きく改訂されました。
あいのこ 〔古風・俗〕①⇒ダブル⑤。〔差別的なことば〕
②どちらともいえない、中間のもの。「シーツとタオルの-のような布」〔①の
意味を連想させて、語感が悪い〕
ハーフ ②〔俗〕⇒ダブル⑤。
混血児 混血によって生まれた子ども。ハーフ。〔純血でないことが悪いかのよう
な呼び名をさけて、「ダブル」「国際児」とも言う〕
ダブル ⑤人種や民族のちがう父母の血を<引くこと/引いた子>。ダブルルーツ。
[!]俗に「ハーフ」とも言うが、「半分」の語感をさけて「ダブル」「ミックス」
も使われる。「海外にもルーツがある人」などとも言える。 三国第八版
良くなったと思います。
もう一つは「おいぼれ」です。
年をとって心やからだのはたらきがにぶく<なること/なった人>。〔老人が
自分を卑下して使うこともある〕[動]老い耄れる(自下一)。 三国第七版
第八版では、「老人が自分を卑下して」の前に「老人をあざけって/」という語句が加えられました。 そういう意味合いで使われるのだということをはっきり書いてあり、よいと思います。